下記、抗菌薬使用量分析の定義を説明します。
目次
集計条件
・集計対象
ーレセプト・DPCデータに存在する症例(自費のみの治療など、DPCデータに存在しない場合は集計対象に含まれません)
ー未退院症例を含む
・診療年月:EFファイルの診療年月(実施年月)
定義/算出方法
項目 | 定義 |
AUD (DDDs / 100bed-days) |
抗菌薬・抗真菌薬の使用密度 【算出方法】 ※内用薬・注射薬・外用薬(吸入剤、全身作用坐剤のみ)に該当する薬価基準収載医薬品および経過措置期限経過から約 1 年間の抗菌薬・真菌薬 |
DOT (DOTs / 100bed-days) |
抗菌薬・抗真菌薬の使用日数 【算出方法】 |
AUD/DOT |
【算出方法】 |
DDD(g) |
世界保健機関(WHO)が定める「医薬品 の主な適応症に対する成人の1日仮想平均維持量」 |
力価総量(g) |
【算出方法】 |
在院患者延数 |
DPCデータが存在する未退院患者を含む累計患者数 |
抗菌薬使用延日数(日) |
EF統合ファイルの抗菌薬の行為回数の合計 |
※備考:抗菌薬・抗真菌薬: DIC社製の抗微生物薬適正使用データに基づいて定義
フィルタ定義
- 診療年月
ー医科・DPCレセプトの診療年月に基づいて定義 - 診療科
ー入院EF統合ファイルの診療科コードに基づいて定義 - 病棟
ー入院EF統合ファイルに入力されている各医療機関の病棟コードに基づいて定義 - 年齢
ー医科・DPCレセプトの生年月日に基づいて定義
※国の人口推計「全国:5歳階級」に基づき年齢階層に基づいて表示 - 傷病名
ー医科・DPCレセプトの病名又は様式1の医療資源を最も投入した傷病名に基づいて定義
※以下の病名を「抗菌薬処方対象病名」として抽出
①ICD10コードがAで始まる病名
②J00,J01,J02,J03,J04,J05,J06で始まる病名
③上記が存在しない場合は、医科・DPCレセプトの「主病名」を抽出
④上記が存在しない場合は、医科・DPCレセプトの任意の病名を抽出
⑤入院患者の場合、抗菌薬処方対象病名が存在しない場合、様式1の「医療資源を最も投入した傷病名」を選択 - 薬剤区分
ーMDB医薬品マスタの薬剤区分に基づき定義
・表示内容:内用薬・注射薬・外用薬 - 系統薬
ー抗微生物薬適正使用データのデータ階層に基づいて定義
※データ階層:参考文献をもとにした化学構造に基づく系統分類 - 成分
ー抗微生物薬適正使用データのデータ階層に基づいて定義
ー抗菌薬・抗真菌薬の内用薬・注射薬・外用薬(吸入剤、全身作用 坐剤のみ)の主成分を対象に、成分・投与経路が同一のもの、配合剤も 1 成分で表示
ーただし、同一成分・同一投与経路であっても効能効果が大きく異なるもの、配合剤で配合比が異なるもの、 生物学的に同等と見なせないものについては、成分を分けて表示 - 医薬品名
ーMDB医薬品マスタの医薬品名 - 小児投与不可情報
ー抗微生物薬適正使用データの小児投与不可情報に基づいて定義
・表示内容:不可情報あり、不可情報なし
ー不可情報あり=添付文書の【禁忌】、【原則禁忌】、【重要な基本的注意】、【小児等への 投与】等の項に小児投与不可の情報がある医薬品
※小児投与不可の情報は、15 歳未満のすべての患者が対象となる情報だけではなく、年齢(新生児、2歳未満の乳幼児等)や体重等の限定条件がある場合の情報も含む医薬品
ー不可情報なし:添付文書の【禁忌】、【原則禁忌】、 【重要な基本的注意】、【小児等への 投与】等の項に小児投与不可の情報がない医薬品、医薬品の製造販売中止等の理由により、添付文書の情報が得られない医薬品
参考文献
1. 厚生労働省ホームページ 薬剤耐性(AMR)対策について
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120172.html)
2. 添付文書
3. 二木芳人他:薬学生・薬剤師レジデントのための感染症学・抗菌薬治療テキスト,じほう,2015
4. 戸塚恭一他:抗菌薬サークル図データブック第 3 版,じほう,2017
5. 日本化学療法学会抗菌薬 TDM ガイドライン作成委員会他:抗菌薬 TDM ガイドライン改訂版,日本化学療法学会,2016
6. 抗菌化学療法認定薬剤師認定委員会:抗菌化学療法認定薬剤師テキスト,日本化学療法学会,2010
7. 中込治他:標準微生物学第 12 版,医学書院,2015
8. 吉田眞一他:戸田新細菌学改訂 32 版,南山堂,2002
9. JAID/JSC 感染症治療ガイド・ガイドライン作成委員会 :JAID/JSC 感染症治療ガイド2014,日本感染症学会・日本化学療法学会,2014
10. JAID/JSC 感染症治療ガイド・ガイドライン作成委員会 :呼吸器感染症治療ガイド,日本感染症学会・日本化学療法学会,2014
11. 日本呼吸器学会成人肺炎診療ガイドライン2017作成委員会:成人肺炎診療ガイドライン2017,日本呼吸器学会,2017
12. 厚生労働省院内感染対策サーベイランス事業(JANIS)ホームページ(https://janis.mhlw.go.jp/)
13. PDR Network,PRESCRIBERS'DIGITAL REFERENCE (http://www.pdr.net/)
14. 小児呼吸器感染症診療ガイドライン作成委員会:小児呼吸器感染症診療ガイドライン2011,協和企画,2011
15. 小児呼吸器感染症診療ガイドライン作成委員会:小児呼吸器感染症診療ガイドライン2017,協和企画,2017
16. 厚生労働省健康局結核感染症課:抗微生物薬適正使用の手引き第一版,厚生労働省,2017
17. JAID/JSC 感染症治療ガイド・ガイドライン作成委員会:尿路感染症・男性性器感染症ワーキンググループ,JAID/JSC 感染治療ガイド 2015-尿路感染症・男性性器感染症-,日本感染症学会,2015
18. 日本臨床腫瘍学会:発熱性好中球減少症(FN)診療ガイドライン,南江堂,2012
19. JAID/JSC 感染症治療ガイド・ガイドライン作成委員会 敗血症ワーキンググループ:JAID/JSC 感染症治療ガイドライン 2017-敗血症およびカテーテル関連血流感染症-,日本感染症学会,2017
20. 中谷 敏他:感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2017 年改訂版) ,日本循環器学会,2017
21. JAID/JSC 感染症治療ガイド・ガイドライン作成委員会 腸管感染症ワーキンググループ:JAID/JSC 感染治療ガイド 2015 -腸管感染症-,日本感染症学会,2016
22. 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター AMR 臨床リファレンスセンターホームページ(http://amrcrc.ncgm.go.jp/)
23. WHO Collaborating Centre ホームページ(https://www.whocc.no/)
24. 高久史麿他監修, 北原光夫他編:治療薬マニュアル, 医学書院
25. 浦部昌夫他編: 今日の治療薬, 南江堂
26. 高久史麿他監修, 堀正二他編: 治療薬ハンドブック, じほう
データソース
レセプトデータ
国保 | 社保 | 備考 | |
医科 | ◯ | ◯ | |
DPC | ◯ | ◯ | |
歯科 | - | - |
DPC調査データ
利用 | 備考 | |
様式1 |
◯ | |
様式4 | - | |
Hファイル | - | |
入院EF統合ファイル | ◯ | 入院処方明細 |
外来EF統合ファイル | - | |
Dファイル | - | |
様式3 | - | |
Kファイル | - |
医薬品情報データ
・MDB医薬品マスタ
・抗微生物薬適正使用データ