MC=Valuation について国家公務員共済組合連合会北陸病院 薬局長 地野幹子氏・薬剤師 田畑寛明氏に活用事例をお伺いしました。
国家公務員共済組合連合会北陸病院
- 病床数:125床
- 診療科:19科
北陸病院や薬剤科の特徴と金沢市地域医療における役割
「地域の皆様から親しまれ、信頼される病院をめざします」という理念に基づく北陸病院は、地域密着型の一般急性期病院で、石川県金沢市泉が丘に立地しています。薬剤科は 9 名の薬剤師と事務員から成り、病院の理念に沿って、各種薬物療法の支援や患者様のサービスの充実に努めることを、部署目標としています。薬剤科では AST・ICT・NST・褥瘡・がん化学療法・認知・DMチーム、といったチーム医療を構築し活動しています。当院は、地域の医療機関と密に連携しており、基幹病院から在宅医療に移行するまでの中核を担うという位置づけで、薬剤科としてもバックアップできるように、連携の部分を重視した業務編成で動いています。
セキュリティ面の安心感と発展性に期待
新しい業務に取り組むときには、システマティックに動く必要があると思っています。情報の管理が緻密化している中、セキュリティや個人情報に関する取扱いが文章化されて提示されていたことから、事務部の了承をスムーズに得ることが出来、導入に至りました。
また、学会等においてビッグデータの解析が話題として挙がっている中、自施設の立ち位置がどこなのかを比較しようとしても、実現出来るシステムはあまり無いイメージでした。MC=V はベンチマークを確認することが出来ますが、地域や病床数等を分けてみることが出来たらより良いと思っており、発展性に期待をしています。
外来経口抗菌薬処方状況やAMU情報を院内全体で活用
ASTは、一週間に一回カンファレンスをしており、MC=V でデータが反映されたタイミングでも情報を共有しています。現在は、昨年度の抗菌薬の適正使用状況について、グラフを用いて視覚的にASTで共有した後にICTへ共有するなど、院内で回覧しています。抗菌薬の処方状況に応じて、ASTのミーティングで症例解析など話し合いをする際には、MC=V を参考にして、抗菌薬の動向を含めて話し合いをしています。
集計作業の負担軽減。そして明確なデータ定義での裏付けが“自信” と “幅広い着眼点” を持てるように
MC=V を導入する前から、薬剤情報の分析を行っており、今も並行して行っています。Access を用いて集計をプログラム化しており、そこから自分の欲しい情報を引っ張ってきて、グラフ化しています。現在は、リアルタイムで作成するデータに対し、後追いで MC=V のデータを確認し、データの差がどれだけあるかを確認しています。Access を用いるデータ解析だけで毎日 30分弱かかってしまっているのと、関係各所と意見交換をしながらカンファレンスシートを作成するので時間を要しています。また、データ作成に至るまでも関係部署に必要な項目の依頼・確認をしているため、その点では、MC=V を活用した場合、すごく楽に、スピーディになったと思います。
他社のデータ分析ツールにおいても、医事課から作ってもらったEFファイルを、薬剤科で匿名加工作業を行う必要がありますが、MC=V は何もしなくていい点が楽です。MC=V を使うまでは、自分が作っているデータが、本当にあっているデータなのか、データの整合性に関して不安なところがありました。MC=V を使うようになって、定義がはっきりしたデータでフィードバックされているため、裏付けがある点で自信になりました。また、自分でデータを作成する場合は、欲しいデータだけ取得しますが、MC=V は自分が今まで気にしなかったデータも確認出来る点が良いと思います。MC=V を使えば、自分の視点以外の項目にも着目出来、院内で情報提供できるところが良いですね。
グラフ表示・出力によりデータが可視化され、院内共有のツールとして活躍
グラフを出すようになってからは、視覚的にもわかりやすいため、ドクターにも見て頂き、コメントを頂けるようなりました。ある日、ドクターと MC=V を用いた一対一のディスカッションを行い、その後カルテを見たときに、今までなかった検査オーダーをその先生がされていたのを確認した際に、やってきた意味を感じました。更に、看護師さんや検査科の方にも大きく動いて頂けるようになりました。事務方にも、今までと違う動きを気にして頂いており、薬剤師はこんなことまでしてるんですか?と言われることが、最近一番多いです。今までは感染症やASTという言葉は薬剤師しか認知していませんでしたが、院内でも周知できてきたと感じています。MC=V は文字情報よりも分かりやすいグラフにてビジュアル化出来ているため、そこに情報やコメントを追加し、院内で周知するためのツールとして活躍しています。